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Research Center for World Buddhist Cultures

世界仏教文化研究センター

活動内容

【2019年5月28日】学術講演会 Mid-century Transnational Japanese American Buddhism

開催日時
2019年5月28日(火)17:00-19:00
開催場所
龍谷大学 大宮学舎 西黌2階 大会議室
講演者

【開催報告】 学術講演会   

Mid-century Transnational Japanese American Buddhism

(20世紀中庸の越境する日系アメリカ仏教)

講 師   Scott A. Mitchell

     (Institute of Buddhist Studies、米国仏教大学院 教授)

※Scott A. Mitchell氏について

http://www.shin-ibs.edu/academics/faculty/scott-a-mitchell/

 

コメンテーター 本多 彩(兵庫大学 准教授)

 

 

学術協定の記念撮影

 

 

講演者のScott A. Mitchell氏

 

 

コメンテーターの本多彩氏

 

2019年5月28日、米国仏教大学院(IBS、Institute of Buddhist Studies)と当センターの学術協定を記念して、講演会「Mid-century Transnational Japanese American Buddhism」(20世紀中庸の越境する日系アメリカ仏教)が開催された。

講師を務めたIBS教授のScott A. Mitchell氏は、浄土真宗本願寺派のバークレー仏教会(カリフォルニア州)が所蔵する仏教青年会の機関誌Berkeley Bussei(1939-1956)を手がかりに、日系二世のアイデンティティや仏教の問題等について論じた。

Mitchell氏によれば、米国生まれの日系二世たちは、戦前には人種差別や反日感情の煽りのなかで、戦後には「日本」と「アメリカ」、そして「仏教」という三つの要素のなかで揺れ動きつつ、アイデンティティを確立していったという。戦後、仏教青年会の日系二世たちは、自身を日本とアメリカの架け橋と捉え、日本仏教をアメリカに伝えることで、人生をより豊かにできると考えた。その際、とくに重要な役割を担ったのが、日本へ留学した日系人であった。彼ら越境者たちが日本の歴史や文化、仏教に関する情報をBerkeley Busseiに定期的に提供し、読者は親の祖国「日本」と、受け継がれてきた「仏教」への理解と想像を深めた。ただし、「仏教」について彼らが抱いた関心は、信仰問題よりも、むしろ仏教を紐帯としたコミュニティが提供する社会的側面に向けられていた。事実、Berkeley Busseiにはスポーツや芸能、パーティ情報の他、大学ゴシップ情報などが掲載されており、こうした面に日系人の「アメリカ」的側面を見出すことが出来る。

従来、アメリカ仏教は西洋知識人の仏教理解などとの関連で論じられ、また、そうした研究の多くが「戦前」を中心に取り上げきた。Mitchell氏はそれらの先行研究を参照しつつも、知識層とは異なる、戦後の日系アメリカ仏教の諸相をローカルな領域から再検討することで、アメリカにおける仏教近代化の新たな側面に着目した。

講演を受けて、兵庫大学准教授の本多彩氏がコメントを行った。本多氏は、日本へ留学した日系人の中に、龍谷大学などで学んだ開教使志望者がいた点に着目し、彼らが果たした役割等について発表者およびフロアの参加者とともに議論した。

アメリカにはバークレー仏教会以外にも、多数の寺院が存在し、そこにはBerkeley Busseiと同様の資料が残されていると考えられる。今後、資料調査とそれらに基づく事例研究の蓄積によって、アメリカ仏教研究を進める必要があることを参加者と共有し、講演会は終了した。

 

 

 

主催
龍谷大学世界仏教文化研究センター(RCWBC)
ポスター
2019.5.28 Scott Mitchell先生 学術講演会