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Research Center for World Buddhist Cultures

世界仏教文化研究センター

活動内容

【開催報告】龍谷大学380周年記念シンポジウム「仏教・イスラーム・キリスト教の交流に向けて―比較宗教の視座から―」

開催日時
2020年2月7日(金)10:00-17:00
開催場所
龍谷大学 大宮学舎 東黌301教室
講演者

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本シンポジウムは龍谷大学380周年を記念し、仏教を軸に、イスラーム、キリスト教という世界宗教を比較して交流の手がかりを探る試みでした。午前の部では、嵩満也氏(龍谷大学国際学部教授)が開会の辞で、浄土真宗を母体とする龍谷大学の他宗教との交流の試みについて説明した後、鎌田繁氏(東京大学名誉教授)が、仏教とイスラームのインドにおける出会いの歴史に触れ、浄土真宗との帰命、偶像崇拝禁止などの類似点を指摘する基調講演を行いました。次いで、デニス廣田氏(龍谷大学文学部名誉教授)の講演では、中世ドイツの神秘家エックハルトと親鸞思想の比較がなされ、両者の間に、超越した真実、その流出的次元といった点で共通性が見られる一方、信仰の目指す方向性として前者は神性への回帰、後者は浄土から現世へと逆の面があることが指摘されました。続く嵩氏のコメントでは、こうした相違点も踏まえて、比較宗教の方法として排他的包括主義から他宗教も受け入れる宗教多元主義的視座が必要となる点が論じられました。

 

午後の部では、鶴岡賀雄氏(東京大学名誉教授)が、中世カタルーニャ(スペイン)のキリスト教哲学者・ライムンドゥス・ルルスの生涯と事績を、同人の絵伝を交えて解説し、ムスリムをカトリックに改宗させるため布教には失敗したものの「ルルスの術」という独自の方法を編み出し、ユダヤ・キリスト教・イスラームを論じた著書ではその優劣を明示しないなど、比較宗教の視野から再評価に値する旨を論じました。続く野元晋氏(慶應義塾大学教授)のコメントでは、イスラームにおける「ルルスの術」のような宗教外の「知」としてのギリシア哲学の影響と、中世イランのイスラーム神秘思想家・スフラワルディーによる哲学を援用した普遍的「照明の学」の提唱などが論じられました。

 

次いで、佐野東生氏(龍谷大学国際学部教授)は、2019年12月のトルコ調査を踏まえ、中世トルコのイスラーム神秘主義者・ルーミーの生涯と『精神的マスナヴィー』などの著作を通じて、ルーミーがイエスを「神の息吹」を備える聖人として高く評価し、キリスト教徒と親密に交流した模様を解説しました。続く平野貴大氏(東京大学博士研究員)の講演では、同じくトルコ調査に基づき、ルーミーを祖とするメヴレヴィー教団のセマーと呼ばれる体を旋回させ神との一体化をはかるズィクル(神への祈り)など、イスラームのズィクルについてシーア派を視野に入れて論じられました。最後に井上善幸氏(龍谷大学法学部教授)の講演では、ズィクルとも比較される仏教の念仏について、「機法一体」を旨としつつ、浄土真宗では阿弥陀仏と衆生は区別される旨の解説がなされました。以上の講演を通じ、諸宗教が相違を前提としながら共通点も見出していくことが21世紀の世界で交流・対話のきっかけとなる認識が共有されました。

 

鎌田繁氏(東京大学名誉教授)

 

デニス廣田氏(龍谷大学名誉教授)

 

嵩満也氏(龍谷大学教授)

 

鶴岡賀雄氏(東京大学名誉教授)

 

野元晋氏(慶應義塾大学教授)

 

佐野東生氏(龍谷大学教授)

 

平野貴大氏(東京大学博士研究員)

 

井上善幸氏(龍谷大学教授)

 

 

会場の様子

 

 

 

 

 


 

主催
龍谷大学世界仏教文化研究センター
共催
龍谷大学国際社会文化研究所
ポスター
チラシ「仏教・イスラーム・キリスト教の交流に向けて―比較宗教の視座から―」