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Research Center for World Buddhist Cultures

世界仏教文化研究センター

活動内容

【開催報告】2020年10月29日(木)講演会「阿弥陀如来の願いと出会う—社会問題に対する真宗的アプローチ—」を開催しました

開催日時
2020年10月29日(木)
講演者

Miyaji Takashi氏(IBS、米国仏教大学院 助教)

 

2020年10月29日、Miyaji Takashi氏を招いて講演会“阿弥陀如来の願いと出会う—社会問題に対する真宗的アプローチ—”を開催した。真宗倫理が専門のMiyaji氏は現在、米国カリフォルニア州・南アラメダ仏教会の開教使を務めつつ、Institute of Buddhist Studies(IBS、米国仏教大学院)でも教鞭をとる。

 

コロナ禍にともなう感染防止のため、今回は一部の大学院生とスタッフを除き、オンライン開催となったが、国内外より多数の方々にご参加いただいた。Miyaji氏の講演内容は以下の通りである。

 

米国において、宗教は倫理と不可欠な課題として認識される。宗教が個人の行動指針や世界観を提示出来なければ宗教として認められない。従来、米国で仏教が倫理問題を説く際には「八正道」「六波羅蜜」「縁起」などの諸思想に基づき論じられてきた。他方、真宗の観点からの言及は少ない。今後、真宗の普遍宗教性を主張するには倫理問題と向き合うことが不可欠である。

 

親鸞教義によれば、衆生は罪悪深重の凡夫であるため、真実に目覚めることは出来ないとされる。しかし、阿弥陀仏の本願「Great Aspiration」によって本当の「人間性humanity」を包む真実の世界と出あうことが可能となる。本願は衆生の自己中心的立場を否定し、真実世界へと導く。そこに個人の世界観の転換が生じる。自己と他者を分節的に捉える二元的視野から、一切存在が連帯した一元的世界があることに気づかされる。これを「oneness through two-ness(二元を通しての一元」と言う。自己中心的世界から他者と連帯する世界へと目覚めた念仏者は、阿弥陀仏の慈悲のはたらきに自らも参画していくこととなる。

 

現在、米国ではコロナウィルスや白人警官による黒人男性暴行死事件などによって、様々な差別問題が顕在化している。開教使として信徒から念仏者としての立場表明を求められることも少なくない。差別心は一部特定の人だけが有するものではない。自他共にもつ凡夫性を内省し、弥陀の本願を通して、それを克服しつつ社会問題に取り組むことが重要である。

 

質疑応答では、倫理学で用いられる倫理の定義と真宗倫理の違いなどをめぐって活発な議論が交わされた。最後に嵩満也教授(国際研究部門長)より、IBSと当センターの協定のもと、今後も「真宗と倫理」をめぐって継続的な共同研究を推進するとともに、研究への協力が呼びかけられ、講演会は滞りなく終了した。

 

Miyaji氏

 

講演会スライド

 

司会の嵩氏

 

オンライン参加者

 

 

主催
龍谷大学世界仏教文化研究センター応用研究部門・国際研究部門、米国仏教大学院(Institute of Buddhist Studies, IBS)
ポスター
Miyaji氏講演会ポスター