大乗仏教とイスラームの心のあり様をめぐる考察―煩悩と愛のはざまで―
基礎研究部門
特定公募研究(共同)
Reflections on the State of Mind in Mahayana Buddhism and Islam: Between Earthly Desires and Love.
2025年度~2026年度
研究代表者
佐野 東生(国際学部教授)
共同研究者
嵩 満也(国際学部教授)
横山 剛(筑波大学助教)
Sepideh Afrashteh(日本学術振興会博士研究員)
研究種別
共同研究
概要
本研究は、仏教とイスラームをめぐる接点をさぐるため、悟り:救済に向けた心のあり様について比較考察する。仏教では大乗仏教に至る過程で、煩悩と呼ばれる心の態様が悟りのため克服されるべきとされた。イスラームではその一部が人間的欲として本来否定的には捉えられなかったが、イスラーム神秘主義に至って禁欲的立場からそれらは否定的に捉えられた。一方で悟りに向けた心のあり様としての愛について、大乗仏教で念仏による阿弥陀仏の慈悲と人間の仏への愛の念、イスラームでも神秘主義の祈りを通じ神と人の相互的愛として肯定的に捉えられた。本研究では、煩悩と愛のはざまに揺れる人間と神仏の慈悲による救済について両宗教の接点を示し、共生の手がかりとする。