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真宗における教学と儀礼の融合的研究

応用研究部門 萌芽的公募研究(個人)
An Interdisciplinary Study of the Thought and the Ritual in Shin Buddhism
2024年度

研究代表者

西村 慶哉(龍谷大学世界仏教文化研究センター博士研究員)

研究種別

個人研究

概要

 本研究は、それまで個別に研究されてきた「真宗教学」と「真宗儀礼」を相互的に検討することによって、しばしば「形骸化」したと揶揄される真宗儀礼に新たな視座を与えるとともに、その現代的意義とは何かを明らかにすることを目指す。
 その目的を達成するために、今まで等閑視されてきた近世期の真宗儀礼書に光を当てる。具体的には、真宗における「迫害の念仏」や「読経の意義」すなわち、現代社会において「葬式仏教」と批判されつつある葬送儀礼の場においての真宗僧侶や儀礼の果たす役割について考察する。近世期の儀礼書に注目する理由は、真宗儀礼を「仏恩報謝」と一括して理解するようになる三業惑乱より前に撰述された典籍が多く、儀礼と教学について闊達な議論が行われていたからである。
 これらの作業を通じで、近親者の死という苦悩を眼前にする遺族・会葬者たちに対して僧侶が果たす役割の教学的・儀礼的根拠を探る。