国際シンポジウム「今、顕密仏教に問う—日本仏教の創成過程から何を汲みとれるか」【世界仏教文化研究センター】
2026.03.05
下記の通り、国際シンポジウムを開催いたします。ご関心のある方はぜひお越しください。
- 日時:2026年3月17日(火)9:30-16:45
- 場所:龍谷大学大宮キャンパス 東黌(とうこう)101教室 /オンライン(YouTube同時中継)
※ 参加無料・一般参加歓迎。申込は下記URL、もしくはチラシのQRコードより。
- URL:https://forms.gle/9XeCJE7tpnuB3aQD8
- 主催:世界仏教文化研究センター(研究分野横断型研究プロジェクト「国際学術交流に関する総合的研究」)
【開催趣旨】
仏教が日本にはじめて到来して以降、絶えず様々な人々と道筋によって仏教はもたらされ、それに応じて、日本の社会と国家の変遷とともに、独自な仏教のかたちと思想が形成されてきました。その、ひとつの到達点として認識された枠組みを、今、「顕密仏教」と呼びます。かつて黒田俊雄が提唱したこの呼称は、主に権門体制論と表裏の社会権力構造の宗教的側面を示すところでしたが、そこにまなざされた文化論的な視野をより広げた形で再定義が繰り返されているように思えます。国家の制度的な側面では、奈良仏教の六宗体制から、最澄の天台宗と空海の真言宗が認められて八宗体制が成立した事にあたりますが、それは表面的な説明でしかありません。むしろ、天台・真言両宗が共有する、顕教と密教それぞれの仏教教学思想と儀礼実践の両面から、新しい仏教の世界観や知の体系がもたらされて、そこに革新的な人間像や死生観が一挙に集中して提起されたような、驚くべき事態が生じたのではなかったのかと思われます。おそらくそれは、南都仏教も根底から変化させ、修験や浄土教、あるいは禅、そして神祇観の変容、神仏習合や本地垂迹を生み出す、母胎となり原動力となったでしょう。
それは、まさしく独自な日本仏教の誕生を告げる転換点であり、以降、永きにわたり影響力を保ち続けて持続しました。その時「顕密仏教」とは、稀有な歴史の創造過程をさす詞とも言えます。その原動力には、確かに空海や最澄など偉大な天才の主体的創造が欠かせませんでしたが、同時にその背後で立ち働いた無数の先人たちの果たした役割も無視できません。改めて照明を当てるべき限りない遺産が、この世界には未だに多く遺されています。
そしてまた、「顕密仏教」は、決して遠い過去のものではなく、現在も力強く活動する生きる宗教世界です。その歴史は、今を生きる我々に常に問いかけています。とりわけ、現在の吾等の世界が直面する、分断と対立による絶えざる抗争の連鎖、加速する環境破壊と災害により、多様な生命と共同体が危機に瀕している、このような状況に対峙して、「顕密仏教という問い」は、何を教えてくれるでしょうか。さらに進んで、我々は今こそ「顕密仏教に問う」試みをはじめたいと思います。この機会に「顕密仏教」をめぐる多角的な問いの連携(リレーションシップ)を共有できればと願っております。

【当日タイムテーブル】
