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国際仏教学会(IABS)第19回学術大会パネル参加
【西域総合研究班】

2022.09.22

コロナ禍により2年連続で延期となっていた「国際仏教学会(The International Association of Buddhist Studies , IABS)」が、2022年8月14日から8月19日の日程で、国立ソウル大学校(Seoul National University)で行われた。3年に一回の開催で、日本からは数件しか採択されない国際学会であり、発表は全て英語でおこなわれる。

当初2020年夏開催予定であり、2018年度にパネル発表を申請し、2019年4月14日付で採択の連絡がなされた。2022年3月に当初の予定通り対面開催が発表されたが、7月になってオンラインでの参加(事前録画)も認められ、最終的に、本パネルは現地参加とオンライン参加のハイブリッド方式となった。

今回、三谷は、パネル代表者として「中央アジア出土の仏教資料~韓国・中国・日本の大谷コレクションの最新研究成果 Buddhist Materials Excavated in Central Asia —New Results of the Collections held in South Korea, China and Japan」のテーマを設定し、計8名が発表をおこなった。韓国在住のKim Haewon(Gyeongju National Museum)、Hwang YoonAh(University of Southern California) 、Kwon Youngwoo(National Museum of Korea)の3名と、困難を極める中、査証を取得して日本から参加した荻原裕敏(嘱託研究員)・慶昭蓉(客員研究員、京都大学白眉センター特定准教授)の2名(計5名)は、現地での発表を果たした。

三谷と橘堂晃一(嘱託研究員)、檜山智美(客員研究員、京都大学白眉センター特定助教)の計3名は、当初、現地での発表に向けて、査証取得に向け準備を進めていたが、いくつかの困難が同時多発的に噴出し、学会としてオンライン参加が認められたことで、断腸の思いで出張を断念したものである。3名は、事前の録画データの提出後、当日は、京都の龍谷大学大宮学舎白亜館4階の西域研究室からオンライン参加した。

13:30よりパネル発表が開始され、Kim Haewon氏の司会のもと、はじめに三谷が全体の発表統括をおこない、順次発表をおこなった。質疑応答も活発におこなわれ、他のパネルに比較しても多くの視聴者(会場+オンライン参加)があり、また、IABSの前会長も参加されていたようで、関心の高さを物語っていた。

 当初は、世界仏教文化研究センターと友好協定を締結している中国旅順博物館の王振芬館長の参加を予定し、直前まで準備をしていた。事務局長のCho Eunsu氏からもたいへん期待されていたが、最終的にコロナ禍の影響もあり、不参加となったことは、たいへん残念であった。しかし、全体としては、内外の関心を呼び、一定の成果を提示することができたのではないかと考える。

今後は、機会を改めて、今回のパネリスト全員が揃った形で、日本(龍谷大学)で国際シンポジウムを開催したい旨、当方から希望を出し、同意を得た。近い将来、大谷探検隊収集資料を保存・研究する三か国の研究者が集う国際学会を、是非とも企画・開催したいと考える。

世界仏教文化研究センター基礎研究部門「西域総合研究班」代表
三谷真澄

パネルの発表内容は以下の通り

Mazumi Mitani (Ryukoku University):Otani Expedition and Its Collection – Outline and Its Contribution to Buddhist Studies

Koichi Kitsudo (Ryukoku University) and Satomi Hiyama (Kyoto University): Interpretation of the Hell Scenes in Subashi East Temple Documented by the First Otani Expedition

Haewon Kim (Gyeongju National Museum) and Yoon Ah Hwang (University of Southern alifornia):Reexamining Paintings from Dunhuang at the National Museum of Korea

Youngwoo Kwon (National Museum of Korea):Restoration of the Stele of Kang: A Sogdian Buddhist Layman’s Sutra-copy- ing Project in Turfan during the Wu Zhou Period

Chao-Jung Ching (Kyoto University) and Hirotoshi Ogihara (Ryukoku Uni- versity):On the Kharoṣṭhī and Brāhmī Wooden Documents Housed in the National Museum of Korea